最果てのレイル

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リプレイ「最果てのレイル」


概要

お借りしたシナリオ

「最果てのレイル」(ホリ様)

公式サイトはこちら



プレイヤー情報

進行役:藤宮南月
プレイヤー:anじぇら、とりにくのじぇいそん

キャラクター情報

※各キャラクターの名前から、それぞれの詳細ページをご覧いただけます。
天月朱羅(プレイヤー:とりにくのじぇいそん)
加納蒼一朗(プレイヤー:anじぇら)

本編

朱羅と蒼一朗は、それぞれいつものように眠りについた。
身体が溶け出してしまったような夢うつつの最中、ふたりは真っ暗な海で、夜空を向いて浮かぶように、のたりのたりと意識を漂わせていた。
不意に遠くから、何か汽笛のような音が聞こえた。
そして直後に、辺りの暗闇を一掃して、瞬く間に世界に光が満ちていく。それはまるで、億万のホタルイカの火を一遍に化石にして、そこら中に沈めたという具合、もしくは、ダイアモンド会社が隠していたたくさんの金剛石を、誰かがいきなりひっくり返してばらまいたという風に、目の前がさあっと明るくなった。朱羅も蒼一朗も、思わず目をこする。
気がつくと、いつのまにか、ゴトゴトゴトゴト、朱羅と蒼一朗を載せた小さな列車が、走り出していた。ふたりは軽便鉄道の、小さな黄色の電燈の並んだ車室に座っていた。ふたりとも、その列車に見覚えもなければ、乗った記憶もない。どうして自分がその場所にいるのか、まったくわからなかった。

KP :ここでアイディアを振ってください。
朱羅 :アイディア80→55 失敗
蒼一朗:アイディア70→5 クリティカル成功
KP :蒼一朗のクリティカルはびびっとルールにより、今後ダイスロールで失敗した際、一回だけ成功と見なすことができます。

蒼一朗はふと思い出す。
昨夜、好奇心で入った骨董市で、たまたま見かけたとある古物を購入してしまったことを。それは彫像だった。羊の頭に、ゆったりとしたローブを羽織った人型の、不思議な造形をしていた。
――普段の俺なら、買わないものなんだけどな……。インテリアにもあわないし……。
しかし、一目見て、そのたたずまいに、なぜか強烈に惹かれてしまったのだ。蒼一朗はその彫像を入手したあと、眠りにつく際も横に置いていた。

KP :ここで持ち物チェックをします。各自申告してください。
朱羅 :わたしは竹刀、財布、コミュニケータを持っている。
蒼一朗:俺はクラッチバッグ、ノートPC、コミュニケータ、ペンケース、ペン、カメラ、財布、定期券を持っているよ。
※コミュニケータとは、朱羅と蒼一朗が出てくるオリジナルノベルゲーム「デッドエンド リインカーネーション」作中に出てくる端末の名前で、わかりやすくいうとスマホのことです。

車室の中は、青いビロードを羽織った腰掛けががら空きだった。車窓の外には、どんな場所でも見たことがないほど、幾千幾万もの星が輝く、明るい夜空が広がっていた。視線の先、どこまでいっても地平線がなく、ふたりを乗せたこの列車は、いくつもの星屑をかきわけるようにして、空の上を飛んでいた。

KP :ここでSAN値チェック(0/1D2)です。
朱羅 :SAN値50→27 成功
朱羅 :SAN値50-0=50
蒼一朗:SAN値50→58 失敗
蒼一朗:SAN値50-1=49

ふと見れば、すぐそばの席に、真っ黒い上着を着た、背の高い子供が、窓から頭を出して外を見ていた。にわかにその子供は頭を引っ込めると、朱羅と蒼一朗へ顔を向けた。飾り気のないめがねをかけた、肌の白い少年だった。

少年 :こんばんは。君たちは、どちらまで行くんだい?

少年ははにかんで、朱羅と蒼一朗に尋ねた。

朱羅 :こんばんは。わたしはどこに行くんだ?
少年 :ううん……どこだろうね……?
朱羅 :君はどこへ行くんだ?
少年 :それが……よくわからなくて……。
少年 :僕は気づいたときから、ずっとこの列車に乗っているんだ。もう何年も前から……。
朱羅 :そうか、大変だな。
蒼一朗:君もわかっていないの……?
蒼一朗:俺は目覚めたらここにいて……状況が飲み込めない。これは夢かな……?
朱羅 :そーいちろー!来てたのか。
少年 :君たちは知り合いかい?
朱羅 :ああ。すごい知り合いだ。
蒼一朗:はは。俺は加納蒼一朗。こっちは朱羅ちゃん。
蒼一朗:一緒にボランティア……みたいなことをやっているかな。
少年 :そうなんだね。
朱羅 :ところでさっきなんではにかんだんだ。
少年 :はにかむ……?僕、はにかんだかな……。
蒼一朗:君の方は一人かな?他に乗客は……。

蒼一朗は車両の中を見渡した。
車室には、朱羅と蒼一朗、そして少年しか見当たらない。

朱羅 :そういえば、君の名は。
少年 :僕の名前は天野航。
朱羅 :わたしは天月朱羅。わたる、よろしく。
蒼一朗:カンパネラって答えるんじゃないかと思ったよ。
蒼一朗:航くんだね。俺のことは蒼一朗でいいよ。
航  :よろしく、朱羅さん、蒼一朗さん。
朱羅 :ところで、なんで何年もここにいるんだ。
航  :うーんどうしてだろう……。僕にもわからないんだ。気がついたら、ここにいたんだ。
朱羅 :そうか。じゃあ、わたしは帰りたいから、さっさとここを出よう。
蒼一朗:俺はもう少しここにいようかな。この風景を写真に撮りたいし。
蒼一朗:起きたら何も残ってないかもしれないけどね。

蒼一朗はカメラを取り出した。完全に夢だと思っているようだ。

朱羅 :そーいちろーは危機感がないな。
蒼一朗:えー。
朱羅 :何年もここにいたら、弥白が心配する。そーいちろーは誰か待ってる人はいないのか。
朱羅 :(おなかがすいた)

蒼一朗は窓の外や、内装の写真を撮っていた手を止める。

蒼一朗:何年もって……。
蒼一朗:これは夢じゃないかもしれないってこと?
航  :どうだろうね……。
航  :たとえ現実だとしても、ここは夢の中みたいだからね。食事や睡眠をとることができるけど、それらをとらなくても、不自由を感じることはないんだ。
朱羅 :ふーん。
蒼一朗:食事や睡眠はどちらでもいい……。
蒼一朗:これが夢じゃなかったとして……。
蒼一朗:君は何年もここにいるそうだけど、この列車はどこかに停まったりすることがあるのかな。
航  :僕がここにいる間、いくつもの停車場を通ってきたよ。「星屑の川に立つ、彗星よりも大きな十字架」とか、「途方もなく長いシルクのような、純白のオーロラ」とか……。
航  :どれもこの世の者とは思えない物ばかりだったよ。
航  :君たちはここに来た、何十、何百人めかの乗客だ。僕は今まで、その人たちと話をしながら、この旅を楽しんできたんだ。明確な目的地があって乗り込んできた人もいれば、僕や君たちみたいにいつの間にか乗っていた人たちもいた。みんな、どこかの停車場で降りたり、いつの間にかいなくなったりしたんだ。何年もここにいるからかな、ここへ来た前のことを、ほとんど覚えていないんだ。この世界では、現実世界での記憶が薄れていってしまうのかもしれないな。
朱羅 :わたるは楽しんでいるんだな。それはよかった。

朱羅は、航が何年もここに閉じ込められているのではないかと心配をしていた。

蒼一朗:記憶が薄れるっていうのはまずいな……。それに俺も、さすがに何年もここにいるわけにはいかないよ。
蒼一朗:航くんは、元の場所へ帰る気はないのかな?
航  :うーん、元の場所での記憶がほとんどないからなあ……。帰りたいという気持ちはあまり無いなあ。
朱羅 :航、ひとまずここを案内してくれないか?何か帰れるヒントがあるのかもしれない。
航  :じゃあ、今から……。

航が口を開いた瞬間、別の声が聞こえた。

???:切符を拝見いたします。

ふたりの横には、赤い帽子をかぶった車掌が、いつの間にかまっすぐ立っていた。若く、目鼻立ちが整っている。性別もさだかではないその人物は、切符を求めて手を差し出してきた。
航は自分のポケットに手を入れ、灰色の切符を取り出して、見せた。車掌はそれを見ると、すぐに目をそらして、あなた方もというように、指を動かしながら、朱羅と蒼一朗に手を差し出した。

航  :ふたりとも、切符を出すんだよ。
朱羅 :……。

朱羅は手を差し出して、車掌を握手をする。ごまかそうとしているようだ。

車掌 :……。

車掌は何も言わず、いいから早く出せという雰囲気を出してくる。

蒼一朗:えーと、ICカードも対応してますか……?

蒼一朗は、通学定期券として使っているICカードを差し出す。

航  :よく探してごらんよ。

ふたりが自分の衣類や、身の回りを改めると、そこに緑色の切符があることに気づいた。切符は四つに折った葉書ほどの大きさで、朱羅と蒼一朗の名前と、「ハリ湖ゆき」という文字が印字されていた。

朱羅 :なんであるんだ……?
蒼一朗:本当に夢みたいだね。

ふたりは切符を、車掌に差し出した。

車掌 :ほほう、これはこれは……。

車掌はふたりの差し出した切符を見るやいなや、まっすぐに立ち直って丁寧にそれを見た。そして切符を読みながら、上着のボタンをしきりに直していた。

車掌 :よろしゅうございます。ハリ湖は、次の駅となります。そこへつきますのは、次の三時頃になります」

車掌は切符をふたりに戻すと、車室を出ていった。

航  :なんだ、君たちには行く場所があるんじゃないか。

航はふたりの切符を覗き込んで、言った。そして、すぐにその顔をしかめた。

航  :でも、なんだって、あんな停車場に……。あそこは僕が知る限りでも、飛び抜けて邪悪で、恐ろしい場所だよ。
朱羅 :何か危ないものでもあるのか?
航  :あそこにはあれがいるんだ……。

航はゆっくりと話し始めた。

航  :僕がここへ来てから、一度だけ、ハリ湖に列車が通りかかったことがある。墨のように真っ暗な湖で、見渡すかぎり広大だった。暗い雲に覆われた空には、鮮やかな血のように赤い星がふたつ、燃えるように輝いていたんだ。あたりは不毛で、湖面を風邪が波立たせることも一切なかった。そんな空虚な世界で……恐ろしい怪物の姿を見たんだ。八本の蛇のようにくねる手足を持ち、骸骨のような頭をした生物が、あちらこちらで、静かに浮かんだり漂ったりしながら、この列車のことを見ていた。まるで獲物を品定めしているようで……僕はとても怖かったんだ。君たちは、ハリ湖のことを知らないようだね。それなら、ハリ湖に行くのは止した方がいい。きっと、何かの間違いで、ここに来てしまったんだ。君たちのそんな様子じゃ、降りたとたんに気が狂うか、化け物に食べられて死んでしまうか、とにかく普通ではいられないよ。でも、このままだと、とてもまずいね。この列車はいずれハリ湖に着いてしまう。切符を持っていないと、この列車には乗っていられないから、君たちはどうしたってハリ湖で降ろされてしまう。無事に現実の世界に帰るためには、ハリ湖に列車が着いてしまう前に、何か特別な手段を見つけなくてはならないんだけど……。
航  :そうだ、ちょっと来てくれないか。

そして、航は後ろの車両へと歩きだした。そこは貨物車料となっており、客車とは大きく異なった様子だ。
航は後ろの車両へと続く木星の扉を開き、その向こうにあった貨車のいかつい鉄扉を、重たそうに開けた。
あかりが泣く、小さい窓しか着いていない貨車の中は、薄暗がりだった。貨車の左右には、金属製の大きな箱や、古めかしい本が積まれていたが、車両の奥まで歩いて行けるように、真ん中は道のように開かれていた。
貨車の奥は部屋のように、一角が空いていた。そこに見知らぬ物があった。それは分厚くて大きな、石造りの門扉だった。その扉は固く閉ざされていて、表面には見たこともない歪な記号が、ぎっしりと刻み込まれていた。
門の背後にはすぐに壁があって、扉を開けて通ったとしても、それにぶつかってしまうことは明らかだ。
ふたりには、その門が、何のために立っている物なのか、からっきっし分からない。

航  :この門なんだけど、どうやら元の世界に戻るための物のようなんだ。

航は門のそばの壁に貼られた古めかしい髪を、指で示しながら言った。

KP :オカルトを振りたい人いますか。
蒼一朗:さっきのクリティカルを使って、オカルトを振ります。

蒼一朗は、紙を見る。
門の表面に刻まれた記号が、人と人との意思疎通のための文字では無く、魔術的な回路の一種であることがわかった。
指さした紙には、下記のような文章が書かれていた。
=====
遥か遠く、外より来たりし異邦人よ
地を過ぎ、霊を過ぎ、在るべき座標に帰るため
君が為に門は開かれん
王たる星に火を灯し
光る刻印に魔女の血を注げ
さすれば帰還の願いは叶えられん
=====

航  :僕がこの列車の中で目を覚ましたばかりのころ、訳知り顔のご老人が乗ってきてね。この門のことを教えてくれたんだ。これは帰還の門といって、僕のようにこの世界に迷いこんでしまった者を、元の世界に返してくれる物らしい。僕は帰りたいとは思わなかったら、使わなかったけど……。王たる星や、魔女の血が、何のことを指しているのか、さっぱりわからないしね。

航は胸元から、懐中時計を取り出した。

航  :君たちが元の世界に戻るためには、この門を使うしかないと思う。車掌さんが、ハリ湖に着くのは、三時頃と言っていたね。今は十二時だ。残された時間は三時間しかない。
航  :手がかりは壁に貼られた紙切れ一枚しかないのだけど、どうにかしてこの門を開こう。僕も手伝うよ。
朱羅 :貨車の中に何があるか見てみよう。

貨車の中には、所狭しと金属製の大きな箱や、古書が積まれていた。また、虫取り網が壁に立てかけてある。

朱羅 :虫取り網だ!

朱羅は虫取り網を手に取る。
いたって普通の虫取り網だ。特に変わったところはない。

朱羅 :懐かしいな。よくオオクワガタを捕っていたなあ。
蒼一朗:この本はなんだろう。手がかりがあるかな。

積まれている古書は、適当な数冊を取り上げて読んでみても、蒼一朗の知らない言語で書かれている物ばかりで、内容を知ることはできなかった。

蒼一朗:図書館使うね。
蒼一朗:図書館65→17 成功

こう書かれていた。
=====
紀元前3000懇ろのペルシアでは、各四季の空をそれぞれ支配する特に明るい星として、アルデバラン、レグルス、アンタレス、フォーマルハウトの四つの星を、”王者の星”と呼んだ。”王者の星”は、西洋では王家の運命を占うための星として、しばしば占星術に用いられた。
=====

蒼一朗:さっき門に刻まれていた文字に『王たる星』ってあったけど……それがこの四つなのかな?
朱羅 :そーいちろーは頭がいいな。
KP :古書に目星もふれます。
朱羅 :しかたがない。目星をふる。
朱羅 :目星65→57 成功

朱羅は帰還の門に刻まれた刻印と同様の記号が拍子にぎっしりと印字された手帳を見つける。

KP :これも目星ふれます。
朱羅 :そーいちろー。この手帳読んで。
蒼一朗:不思議な手帳だね。どれどれ。
蒼一朗:図書館65→49 成功

=====
先へ進む者、決して戻るべからず。
君が為に、門は二度開かず。
=====
蒼一朗は手帳にある文を読み上げる。

蒼一朗:……って書いてある。もしかして一度進むと、ここには戻れなかったりするのかな?手がかりは持ち歩いた方が良いかもしれないね。
朱羅 :この虫取り網も何かに使えるかもしれない。
航  :(虫取り網が必要なときってどんなときだろう……)
朱羅 :ところでこの箱は開けられるのか。

朱羅は網で箱をつつく。
金属製の箱は、継ぎ目や溝などが見当たらない。ただの直方体のようだ。

KP :積まれた箱に目星ふれます。
朱羅 :箱に目星をふるぞ。
朱羅 :目星65→45 成功

朱羅と蒼一朗の名前が刻印された箱。航の名前が刻印された箱。ふたつの箱を見つけた。

朱羅 :なんで名前が刻まれているんだ。
朱羅 :航だけ一個に名前があるのずるいぞ。
蒼一朗:俺たちがここに来るのがわかったみたいだね。さすがに少し気味が悪いな。
蒼一朗:俺たちのを開けてみようか?
朱羅 :開けてみよう。

朱羅は、朱羅と蒼一朗の名前が書いてある箱を開ける。
他の箱と同様、継ぎ目や溝などはない。しかし、朱羅が開けようと試みると、不思議と裂け目が入り、開けることができた。
箱を開けるとその中には、羊の頭をしてゆったりとしたローブを羽織った人型の彫像が入っていることがわかった。
その彫像を見ると、それはふたりが現実の世界において眠りにつく前に、何らかの手段で入手した不気味な人形であることがわかる。彫像は意思を持つ生物のように、その頭をもたげ、朱羅のことを見つめる。そして口を開き、邪悪さを帯びた老人のような声で「贄の用意はととのった。いざ行かん神の御許へ。いあ!いあ!」と騒ぎ出す。

KP :SAN値チェック(0/1D2)です。
朱羅 :SAN値50→53 失敗
朱羅 :50-1=49になった。
朱羅 :ううう死んだおじいちゃんのいびきみたいだ……。
KP :どういう感情?
蒼一朗:朱羅ちゃん、大丈夫?

朱羅の様子を見た蒼一朗は、慌てて自分も箱の中を覗き込む。

蒼一朗:それは……昨日俺が買った置物だ。たしか枕元に置いて眠ったはず……。

ここで、大きな警笛が鳴り出した。
ふと車窓を見れば、列車の外には星光を鈍く反射する、ゴムのような大地が広がっている。大地には所々にフジツボのような隆起があって、よく見ればそれは波打って動いているように見えた。

航  :くじら島だね。ちょっとした惑星ほどの大きさはある、巨大な生きたくじらなんだ。背中には五つも六つも街があって、たくさんの人が暮らしているんだよ。この島からエリダヌスの川を越えてプレアデスの観測所を過ぎてしまえば、もうハリ湖についてしまう。急がないと……。
朱羅 :何言ってるんだ。
KP :朱羅、航にだけあたりが強い。
蒼一朗:それ、思ってたよ。
蒼一朗:思ったより時間がないね。急がないと。航くんの箱は……開けてみてもいいかな?君に関する物かも知れないけど……。
航  :うん、僕の箱は、じつは開けたことがあるんだ。だけど気になるなら、見てもらって大丈夫だよ。怖い物は入ってなかったから、安心して。
蒼一朗:わかった。開けてみるよ。

蒼一朗が開けようとすると、箱に裂け目が入った。開けるとその中には、写真が入っていた。「優しそうな男女」が写っている。

航  :このふたりが誰だかが知らないんだけど、不思議と懐かしさを感じるんだ。もしかしたら、僕の……いや、まさかね。
朱羅 :この写真は航が持っていた方が良い気がする。
蒼一朗:(朱羅ちゃん、時々良いこというよね)
KP :(わかる)
蒼一朗:こっちの羊は俺が持っていくよ。
KP :一応、今ここで持ち歩くことにしたものの最終的な宣言をお願いします。
朱羅 :わたしは虫取り網を持っていく。
蒼一朗:彫像を持っていくよ。本や手帳の内容はコミュニケータ(スマホ)に記録したよ。
航  :僕は男女が写った写真を持っていきます。
航  :ここにはもう、めぼしいものはなさそうかな?
航  :これからどこを調べていこうか。ふたりはどこがいいとこはあるかい。
朱羅 :特にないけど……。(操縦車のほうをチラチラ見る)
蒼一朗:前から順に調べてもいいけど……航くんは動力車のほうへは行ったことある?
航  :僕は行ったことないなあ……。
蒼一朗:何があるかはここではわからないか……。
蒼一朗:まずは動力車の前まで行って、中の様子をうかがってみようか。

三人は一号車の端まで移動した。
一号車と炭水車は、扉や道でつながっていないようだ。

朱羅 :ここを切り離したら、永遠に駅に辿りつかないんじゃないかな。
航  :どう……だろうね……落ちるんじゃないかな……?
蒼一朗:まあたしかに。ただ、他のお客さんや航くんを巻き添えにはできないかな……。
朱羅 :そうか、そーいちろーは偉いな。
KP :この朱羅、サイコパスが過ぎるな。なんでとりにくがやるキャラはどれもサイコパスになっちゃうんだろう。
蒼一朗:とりにく自体はサイコパスじゃないのにね。
朱羅 :他に調べる箇所はあるかな……。
航  :どうしても向こうへ行きたいなら、窓から外へ出て、向こうへ飛び移れば可能かもしれないけど……。
朱羅 :うーん、それは危ない気がする。別の車両を見てみるべきかな。そーいちろー。
蒼一朗:そうだね。行くにしても、危ない橋を渡るのは、他を調べてからでも良い気がする。一号車から様子を見てみようか。
航  :そうだね。一号車はここだよ。

車両の左側が通路となっていて、個室が三個並んでいる。個室のうち、奥の二つは扉から明かりが漏れていないが、手前の部屋は内側から明かりが漏れている。

蒼一朗:明かりがついてる。人がいるのかな。手分けして個室を調べようか。

ここで、再び大きな警笛が鳴った。
車窓の外には、滔々と流れる大河が見えた。それは列車の下の空を、大きく弧を描くように流れていた。星光にキラキラと輝く水流は、川の中に散在する透き通ったオレンジ色の石ころを、ころころと下流へ転がしていた。

航  :エリダヌスの川だ。ああ、もうこんなところまで来てしまった。急がないとまずいね。
航  :僕はどこを調べたらいいかな。手伝うよ。
朱羅 :じゃあ手前の明かりのついているところを調べてくれ。
航  :そんな一番怪しいところを僕が行っていいのかい!?
KP :(笑)
蒼一朗:(笑)
朱羅 :航が一番この列車のこと知ってるだろ。それに子供だから、突然入っても怪しまれない。
KP :子供だとしても突然入っちゃ失礼なんだよ。
蒼一朗:それもあるね。でも航くんはあの部屋が一番怪しいと思う?不安なら、俺がそこへ行こうか。
航  :うん……ひとつだけ明かりがついているから、誰かいるのかなって思ったんだ。
蒼一朗:わかったよ。怖いのなら無理しないで。帰りたいのは俺たちだから。もし不安なら朱羅ちゃんか俺と一緒に回ってくれたらいいよ。朱羅ちゃんはそれでいいかな?
朱羅 :かまわない。
蒼一朗:(武士なの?)
航  :じゃあそうさせてもらうね。どっちについていったらいいかな?
蒼一朗:じゃあ、朱羅ちゃんと怪しくなさそうな暗い部屋を見てきてもらえるかな。
航  :わかったよ。よろしくね、朱羅さん。
朱羅 :よろしく。じゃあ、行こう。

朱羅と航は一番奥の部屋に向かった。

朱羅 :ひとまず聞き耳をしてみるか。
KP :聞き耳使えます。
朱羅 :聞き耳65→84 失敗
朱羅 :よし、行くか。

朱羅は勢いよく扉を開けた。中には誰もいなかった。部屋には机と椅子、横になれるようなベッドが配置されている。

朱羅 :航、隅々まで調べるんだ。
KP :朱羅、航のこと、ポケモンか何かだと思ってる?
航  :ええと……指示してくれれば、手伝うよ。
KP :机と椅子はセットで目星できます。
朱羅 :じゃあ、航はベッドを調べてくれ。わたしは机と椅子を調べる。
航  :目星40→50 失敗
航  :ごめんね、よくわからなかった……。
朱羅 :目星65→42 成功

普通の机と椅子のようだ。とくにめぼしいものはない。

航  :見たところ、この部屋には何もないような……。
朱羅 :よし、次だ。

朱羅と航は真ん中の部屋に入った。部屋はさきほどと同じ造りだ。

朱羅 :さっきと同じ要領で調べてくれ。
航  :ベッドに目星40→23 成功
航  :ベッドを隅々まで調べたけど、特に何もなかったよ。
朱羅 :机と椅子に目星65→96 失敗ファンブル
朱羅 :よし、何も分からなかった。

蒼一朗:それじゃあ、俺も。
蒼一朗:手前の部屋に聞き耳使います。
蒼一朗:聞き耳25→8 成功
蒼一朗:中からごそごそ音がする……誰かいるみたい。
蒼一朗:(扉をノック)
???:何かご用?

女性の声がして、部屋の扉が開いた。
中から顔を出したのは、ゆったりとした黒いローブに身を包んだ、若い女性だった。目を疑うほどに美しい顔立ちで、思わず息を呑んだ。

???:あら、迷子さん?ごめんなさいね。今はお相手をしていられないの。

扉から覗く部屋の中は、列車の客室とは思えないほど、様々な物であふれていた。机の上には理科の実験器具のような物がずらりと並んでいて、床には分厚い本の山が積まれていた。
KP :「アイディア」「科学か物理」「オカルト」の三種類がふれます。
蒼一朗:アイディアをふるよ。
蒼一朗:アイディア70→35 成功

机の上に置かれた実験器具の中に、湯気の立ったティーカップを見つける。おそらくは、紅茶を飲んでいるのだと推測ができる。

蒼一朗:何か……研究をされているんですか?
女性 :ええ、まあね。今ちょっといいところで、手が離せないのよ。何かご用かしら?
蒼一朗:お忙しいところすみません。ちょっと急ぎで、ここから変える方法を探していまして。貨車にある門について、何かご存じですか?
女性 :ああ、貨車にある門のことね。わたしが作ったものではないから、詳しいことはわからないけど、だいぶ古い物のようね。あまり賢くない人が作ったんだと思うわ。造りに無駄が多いもの。でも、あなたたちのような魂が、肉体に戻るぶんには問題なく使用できると思うわ。

そのとき、警報がなった。車窓の外には、相も変わらず美しい満天の星空。それを背景に、黒くて背の高い建物が四つ建っていた。その平屋根の上にはそれぞれ、いくつかの小さい星が輝いていて、星同士が身を寄せ合って、青白くてぼんやりとした光を放っていた。

航  :プレアデスの観測所だ。ここまで来てしまえば、ハリ湖はもうすぐそこなんだ。どうにかしないと……。
朱羅 :そうか。そのときはやっぱりこの列車を……。

蒼一朗:使用方法がわかるといいんですが……。研究をしている方なら、そちらの本とか、何か手がかりになりそうなものをお待ちではないですか?
女性 :使用方法なら、あの門に書いてあったはずだわ。これらの本は……魔術の本だけど、門とは無関係よ。
蒼一朗:(魔術の本……この人は魔術の研究をしているのか……門の文章にある「魔女の血を注げ」の「魔女」なのだろうか……?)
蒼一朗:紅茶がお好きなんですか?
女性 :ええ、好きよ。頭を使うと、喉が渇いてしまってね。でも、もう紅茶も厭きてしまって。今はなんだか甘い物を食べたい気分だわ。たとえば……チョコレートとか。わたし、チョコが大好物なの。でも全部食べきってしまったから、しばらくは食べられそうにないわ……残念。
蒼一朗:チョコレート……今持っていたらよかったんですが、残念ながら、持っていないです。ありがとうございます。お邪魔しました。

三人は合流した。

朱羅 :そーいちろー、こっちには何もなかった。
蒼一朗:こっちはどうやら魔術を研究しているらしい女性がいたよ。チョコレートをほしがってた。
朱羅 :その人にチョコレートを渡せばいいのか。
KP :そんなこと誰も言ってない笑
朱羅 :航、チョコレートがある場所を知っているか。
航  :どうかな……もしかしたら、別の乗客が持っているかも知れないね。
朱羅 :よし、ほかの乗客を探そう。
蒼一朗:二号車も急いで調べよう。
航  :二号車はこっちだよ。

航は二人を二号車までつれていく。

KP :ここで、目星をふってください。
朱羅 :目星65→89 失敗
蒼一朗:目星25→49 失敗

下の方に何か落ちていたが、二人とも気づかず通り過ぎた。
二号車は、三号車と同様の造りとなっている。大きな人影と、初老の老人がいるのが見える。

朱羅 :すみませーん。

朱羅は大きな人影に話しかける。
遠目では、座席に座った大きな人影のように見えたそれは、よく見れば人間ではなく、まるで怪物だった。間接の多い手足を器用に曲げて、2メートルを優に超える巨体を椅子に押し込めていた。高く張り出した耳に、細長くひしゃげた鼻の穴をしていて、目の部分は深く深く奥に落ち込んでいた。
その洞窟のようなくぼみには、点のように小さく、切っ先のように鋭い眼光が、赤く輝いていた。
その怪物は鼻息を荒くして、朱羅のことを見つめ返した。
その瞳に、朱羅はとても恐ろしくなった。

KP :SAN値チェック(0/1D8)です。
朱羅 :SAN値49→14 成功
朱羅 :はは、よく見ればかわいい目をしているな。

異形の巨人は、朱羅を見つめたまま、何も言わない。

朱羅 :チョコレートのありかか、貨物車の門を開ける方法が知りたいのだけれど。
KP :直球が過ぎる。

巨人は何も言わない。低くうなっているだけだ。

朱羅 :そうか……じゃあ、また来る。

朱羅は初老の男性に近づく。
男性は座席から離れ、床に這いつくばるようにして座席の下を覗き込み、何かを探している様子だ。
赤ひげを蓄えたこの男性は、眉間にしわを寄せ、少し険しい顔をしている。

朱羅 :何かお困りですか。
蒼一朗:(時々ジェントルになるよね)
男性 :ああ……じつは捜し物をしていてね。
朱羅 :奇遇ですね。わたしたちも捜し物をしているんです。
KP :そのアメリカンな返しなんなの?
男性 :そうなのかい。それは奇遇だね。
朱羅 :はい、チョコレートのありかか貨物車の門を開ける方法が知りたいんです。あなたは何を探しているんですか。
男性 :チョコレート……なら持っているが……。わたしも手持ちが少なくてね。
男性 :門というのはわからないな。私はめがねを探しているんだ。うたたねから起きたら、消えていてね。
男性 :このあたりには全くなかった。別の乗客が持っていってしまったのだろうか……?
朱羅 :なるほど。じゃあ、わたしたちがそのめがねを探してみます。
男性 :おお、助かるよ。ありがとう。
朱羅 :チョコレートの準備をお願いします。
KP :(爆笑)

朱羅、蒼一朗、航は合流した。

KP :ここでオリジナルのルールとして、幸運チャレンジを振ってもらいます。ひとり三回まで。タイミングはKPが決めます。
KP :一回成功ごとに10分伸ばします。
KP :まずは一回目。それぞれ振ってください。
朱羅 :幸運50→68 失敗
蒼一朗:幸運50→97 失敗ファンブル
KP :ファンブルなので、2分早まりました。あと3分40秒です。1分前に二回目のチャレンジします。
朱羅 :チョコレートとめがねを交換することができそうだ。あの人のめがねが他の乗客に持って行かれたらしい。
KP :感覚がメタい朱羅。
KP :ここで二回目の幸運チャレンジ。どうぞ。
朱羅 :幸運50→60 失敗
蒼一朗:幸運50→79 失敗
KP :こんなことってある?
KP :航くんになんとかしてもらいましょう。
航  :もうすぐそこまで湖が……時間がありません。
航  :僕、ひとつ案があるんですが……さきほど最初に操縦者へ行きましたよね。外へ出れば、わりと簡単に飛び移れるんじゃないでしょうか。操縦者の中へ入れば、この列車の進むスピードを遅くできるかも知れません。
朱羅 :よし、行こう。

航たちは、一号車の端まで来た。

朱羅 :わたしが行く。
KP :荷物は他の人に持っていてもらうといいんじゃない?
朱羅 :虫取り網を器用に使い炭水車に乗り移ったぞ。
KP :どうやって?

箱のような形をした炭水車には、黒い小石が山のように積まれていた。
同色車の煙突からうっすらとした白煙が吐き出されるところが見えた。煙はすぐ横を過ぎていったが、まるで臭くはなかった。

朱羅 :このまま行けば動力車だ。

動力車の運転室には、誰もいなかった。
運転手がいないというのに、列車は勢いを落とさず走り続けていた。運転室の壁面には、大きかったり小さかったり、丸かったり角張っていたり、様々な計器やバルブが並んでいた。

蒼一朗:朱羅ちゃん、聞こえる?何かあったら、手を振ってくれたら、俺もそっちへ渡るから!
朱羅 :?そーいちろー?聞こえないぞ。おーい!(手を振る)
蒼一朗:オッケー。

蒼一朗は彫像を置いて、航には危ないから合図するまでここで待つように言って、炭水車へ飛び移る。

蒼一朗:朱羅ちゃん、虫取り網を使って……ずいぶん器用だったなあ。
朱羅 :そーいちろー!運転手がいないんだ。
航  :(大丈夫かな……ハラハラ)
蒼一朗:え?自動操縦なのかな?
蒼一朗:アイディア振れる?
KP :アイディアチャレンジどうぞ。
朱羅 :アイディア55→51 成功
蒼一朗:アイディア70→74 失敗

朱羅はふと、冬章から昔聞いたことを思い出した。バルブを開けば、列車の速度を変えられることを。

朱羅 :は!ふゆあきが何か言ってた……バルブを開けば、列車の速度を変えられる。
朱羅 :バルブを全開にする!
KP :いきなり?
蒼一朗:さすが冬章さん。
KP :ちなみにバルブチャレンジは幸運振ってください。
朱羅 :幸運50→76 失敗
KP :ああ~。
KP :ちなみに幸運チャレンジ三回目残していました。振ってください。
朱羅 :幸運50→55 失敗
KP :逆にすごい。
蒼一朗:幸運50→36 成功
KP :ようやく!
KP :ハリ湖までの時間が10分延びました。なんらかの理由で。
朱羅 :よし!気を取り直してめがねだ。
蒼一朗:まだ行っていない三号車に行ってみようか。

三人は三号車へたどりつく。
三号車は探索車が目を覚ました場所だ。二対二で対面するように座ることができる、青いビロードを張った腰掛けが、車両の中に並んでいる。

KP :聞き耳振ってください。
朱羅 :聞き耳65→38 成功
蒼一朗:聞き耳25→97 失敗ファンブル

朱羅は、この車両の中のどこからか、猫の鳴き声が聞こえた。朱羅は鳴き声の方を見る。そこには、何かを加えた黒猫がいた。黒猫はそのまま逃げるように走っていってしまった。

KP :朱羅、目星振ってください。
朱羅 :目星65→9 成功
KP :朱羅は、猫がくわえているものがめがねだと気づきます。
朱羅 :猫、そのめがねをくれ。
朱羅 :虫取り網で猫を捕まえる!
KP :気合いを入れたら成功します。
朱羅 :うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。

朱羅は猫をとらえ、めがねを手に入れた。

朱羅 :よっしゃ。

ちなみに、三号車の中には、他に、少女と男が座っているようだ。

KP :男に話しかけると、時間が延びる最後のチャンスが訪れます。オリジナルルール。
蒼一朗:男に近寄ってみるよ。
蒼一朗:こんにちは。

茶色の外套を着て、くるんと巻いたひげを持つ中年の男性だ。白い布の袋で包んだ荷物を、直ぐ横に置いて座席に座っている。

男性 :やあやあ、旅のお方。星屑はいらんかね。
男性 :俺は買い手の記憶を代価として、星屑を売り歩いているんだ。カノープス、ベガ、リゲル、アンタレスの四つの星屑を売っているよ。ただし、知識と、医学や科学といった技能のいずれか、二つの値を半分にしないと買えないよ。ひとりにつき、買えるのはひとつだけ。
男性 :そしてなんと!ここで今回の目玉。「時間」!幸運とアイディアを半分ずつにすることで、時間を30分アレできるよ。つまり時間をひとり、星屑をひとり、で買ってね。そこの坊やは含まないよ。アレがアレだからね。
蒼一朗:必要なのは、王者の星のひとつのアンタレスかな……?
朱羅 :そーいちろー、すごい!
KP :ちなみに値切れます。あと能力の低下はこのシナリオの中だけ。
蒼一朗:じゃあ俺が星屑の方を買おうか。
朱羅 :わたしは時間を買う。……ところでお店の人、わたしを信じてもう少し時間を多くしてくれはしないだろうか。
KP :強欲。
蒼一朗:強欲。
KP :説得振っても良いけどさっきのファンブルで相殺するから。あと失敗したら時間減らすかも。
朱羅 :説得65→50 成功
KP :さっきのでよく振るなあ……。まあファンブルで相殺しますが……。
男性 :うーん、特に信じられないなあ。
朱羅 :そーいちろー、めがねは手に入れたぞ。
蒼一朗:いちおう、そこの女の子にも話を聞いてみるね。近づいてみるよ。

三号車の少女は、ひとりで静かに座席に座っている。なんだか目もうつろで、眠そうにしているように見える。

KP :アイディアどうぞ。あと蒼一朗はさきほどのロールで芸術を減らします。
蒼一朗:アイディア70→79 失敗
朱羅 :アイディア28→37 失敗
蒼一朗:眠いのかな?こんにちは。
少女 :えっと……こんにちは……。
蒼一朗:突然ごめんね。俺たち、ここから帰る方法を探しているんだけど、貨車の門について何か知ってる?あと、王者の星について手がかりを探しているんだけど……。
少女 :さあ……ごめんなさい。よくわからない。
少女 :あなたも気がついたらここにいたの……?
蒼一朗:そうなんだ。俺たちも君と同じ。君はここで何をしていたの?
少女 :わたしは眠ってしまったみたい……ここに来る前の夢を見たわ。
蒼一朗:どんな夢か聞いても良い?
少女 :お母さんと川辺で遊んでいたの。そして、気がついたらここにいて……。
少女 :お母さん……懐かしいな。誕生日に、髪留めをくれたの。それをいつも絶対につけているのよ。
蒼一朗:あれ……今はしていないの?
少女 :え、そんなことは……本当だ!どうしよう……ない……絶対にはずさないのに……。
航  :あれ……ふたりともどこだろう……(怒濤の展開に迷子)
蒼一朗:落としてしまったのかも知れないね。そうだ。

蒼一朗は朱羅のコミュニケータ(スマホ)に、髪留めを見つけたら持ってきて欲しいとメッセージを入れた。
しかし、メッセージはうまく送れなかった。ここでは端末は使えないようだ。
その頃、朱羅。

朱羅 :よし、とにかくめがねをあの人に返そう。二号車へ行く。
KP :目星お願いします。
朱羅 :目星65→80 失敗
KP :特に何にも気づかなかったよ。
朱羅 :おじさん、おじさんのめがねはこれだろうか。
男性 :おお……!これだ、わたしのめがねは。ありがとう。
男性 :チョコレートが欲しそうだったね?お礼にあげよう。
KP :おじさんは空気を読んだ。
朱羅 :見つかってよかった。わたしもチョコレートがもらえて嬉しい。

朱羅は二号車を経由して三号車へ向かう。

KP :目星どうぞ。いつものやつ。
朱羅 :目星65→26 成功

座席の影に、髪留めが落ちていることに気づく朱羅。

朱羅 :なんだ……?とりあえず持っていくか。三号車へ行くぞ。
航  :あ、朱羅さん!……待って、朱羅さ……早い……!
朱羅 :航!追いついてこい!
KP :待ってあげて。
朱羅 :そーいちろー!
蒼一朗:朱羅ちゃん、何か見つかった?
朱羅 :チョコレートと髪留めのことを共有する。……この髪留め、誰のだ。
蒼一朗:君が探しているのはこれ?

蒼一朗は少女に、髪留めを渡す。

少女 :そうよ!ありがとう。
少女 :お礼にこれ……。

お礼として、虹色の花を渡してくれた。花びら一枚一枚が異なる色味をしている、一輪の切り花だ。

朱羅 :よし、一号車へ急ごう。

そのとき、巨人がふいに立ち上がって、朱羅の前に立ちはだかり、低くうなる。どうやら、三人の持っている物に反応しているようだ。
朱羅 :おまえ、あのときの。

朱羅はとりあえず花を投げつける。

KP :朱羅、行動がすべてとりあえずすぎる。

異形の巨人は静かにそれを受け取る。そして、三人に、どこからか取り出した萌葱色の炎を渡した。朱羅がその瓶を手に取ると、ほのかに暖かさを感じる。

朱羅 :ありがとうな。

そのとき、ガクンと車体が音を立て、三人の身体は前のめりになった。ゴトゴトと列車が走る音が、だんだんとその間を長くしていく。どうやら、列車が目的地に着いて、もうすぐ停車してしまうのだとはっきりわかった。
窓を過ぎていく景色がゆっくりと速度を落としていき、その最中におぞましい物を見た。窓の外に広がる真っ黒な湖の彼方此方には、骸骨のような頭をした不気味な生物が、たくさんいた。その生物は舌なめずりをするかのように、骨のない八本の手足をくねらせながら、すべてが三人のことを見ていた。
それは空に浮かんだり、湖を漂ったりしながら、列車が止まるのを待っていたようだ。強烈な死の臭いを感じ、宇宙的な恐怖に魂が潰されそうになる。

KP :SAN値チェック(1D6/1D20)です。蒼一朗はファンブル分で失敗と見なします。
朱羅 :SAN値49→58 失敗
朱羅 :49-19=30
蒼一朗:SAN値49-13=36
KP :一時的狂気のため、アイディアロールどうぞ。
朱羅 :アイディア28→92 失敗
蒼一朗:アイディア70→99 失敗ファンブル
KP :失敗したので、狂気を免れました。
朱羅 :うわあああ。
蒼一朗:これが……怪物……!

硫黄の炎のような、暗いぼんやりした転轍機の前の明かりが、窓の下を通った。徐々に緩やかになった列車は、しまいには人が歩くほどの速さになり、大きく息を吐き出すような音を立てて、ついには走ることを止めた。

???:ハリ湖でございます、ハリ湖でございます。

アナウンスが聞こえた。
ガタガタと機械的な音がして、外に出る列車の扉が開いた。列車の外には、大理石のような石材でできた、簡素な停車場が見えた。そこには天井も壁もなく、湖のおぞましい光景が一望できるばかりだった。
重い、水しぶきの音がした。外の湖には、瞬きをする間に忽然と、太くて高い柱が立っていた。それはまっすぐ天に向かって伸びていたかと思うと、蛇のように姿をくねらせて、よく見ればまるで軟体動物の、あまりに巨大なタコの触手のようだった。
それを見た途端、朱羅と蒼一朗の血は急速に温度を失い、圧力さえ感じる恐怖に、手足は震えるばかりで動かなくなってしまった。
再び、いくつかの水しぶきの音がして、その触手が次々に湖に生えていったかと思うと、不意に二人の胴が何者かにつかまれた。気がつくと、醜悪な触手にひしひしと拘束されていて、身体の中身をすべて吐き出してしまいそうになった。
不意に突風を感じたかと思うと、触手に乱暴に捕まれたまま、列車の外に引っ張り出された。湖に生えた触手が、次々と自分に向かって伸びてくるのが見えた。
一本の触手は朱羅の左腕をつかんだと思うと、ぶちりと、それを身体から引きちぎってもいだ。嘘みたいに血が吹き出る。常軌を逸した激痛に朱羅の悲鳴が湖上に響き渡る刹那、ぶちりと右足も引きちぎられる。すぐそばからは、蒼一朗の悲鳴も聞こえた。
意識が真っ赤に染まった。ぶちり、ぶちり。ああ、もう何もかも手遅れだった。
花を摘むように、朱羅と蒼一朗は四肢がもぎ取られ、理性ははぜて、これから悲痛な死を迎える。
哀れな二人は、湖の底に潜む、無情な神への捧げ物になるのだ。
いあ!いあ!はすたあ!はすたあ!

KPの感想

もともと制限時間が二時間だったのを三時間にしたのですが、ちょっと足りなかったですね。テキストベースで、雑談をボイスチャットでやっているのですが、本来の時間の二倍でもよかったように思います。そのせいで、随時甘々な判定をしています。そして疾走感がすごい。

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